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vol.199:株式会社桃谷順天館(3)〜美しさを人々に届け続ける、明色化粧品の商品開発〜

 今回お話しいただくのは、明色化粧品マーケティング部の永井様です。

化粧品等の商品開発のこだわりや明色化粧品ならではの特徴について教えてください。

【明色化粧品 マーケティング部 永井様】

 明色化粧品の親会社である桃谷順天館は、創業者の「奥様の肌悩みを解決したい」という想いから始まりましたが、明色化粧品でもお客様のお肌悩みに向き合いながら商品開発をしています。また、薬屋から始まった背景もあるので処方技術もしっかりと引継ぎながら、お客様の肌悩みを解決することが私たちの基盤になっていると考えています。
 さらに、弊社ではユーザーボイスを重視した商品開発をしています。お客様相談室(=品質保証室)には、日々、お客様から喜びの声やご指摘が届きます。私たちは毎日こうしたリアルなお声に触れることで、お客様をより身近に感じることができます。たくさんいただいている中から「もっとこういうのが、あればいいな」というお声を大事にして、次の商品開発に繋げています。また、月に1回、お客様相談室の担当者が開催する、色々なご意見をまとめて発表する「カスタマーボイス」があり、社員だけでなく社長をはじめとした役員も出席しています。この会では実際に、録音したお客様の声を聴くことので、よりお客様をリアルに感じることができます。

お客様からのお声を大事にした商品開発は魅力的ですね。
過去にあったお声の中で印象的なお話はありますか。

 80代くらいの女性から「ずっと美顔水を使っています」とお電話をいただきました。美顔水は主にニキビに悩む中高生をターゲットとしていますが、角質を柔らかくする作用があるため、皮膚がごわつきやすい年代の方が使用されることも納得できます。実際、少し厚くなった角質をふき取ることで、肌が柔らかくなり、浸透性も高まると考えられます。

日々、トレンドが移り変わる世の中ですが、化粧品業界のトレンドのキャッチなどはどのようにされていますか。

 トレンドを最優先しているわけではありませんが、市場の動向には常に目を向けています。たとえば、社内には「美の伝道師プロジェクト(=海外視察研修)」という取り組みがあり、社内選考を通過すれば、ヨーロッパで開催される世界最大級の化粧品展示会などへの視察に参加できます。そうした展示会では、世界の化粧品や原料のトレンドを実際に見て学ぶことができるので、製品開発の際に参考にしています。
 また、店頭での様子やSNS上での情報も、日常的にチェックしています。商品そのものはもちろんですが、その商品を「どう見せていくか」といった広告的な側面においても、マーケティングの力が大きく関わってきます。そのため、親会社である桃谷順天館のデジタルマーケティング本部とも連携しながら、商品のコンセプトを踏まえた上で、どう打ち出していくか、どのようにSNSで発信していくかを一緒に考え、取り組んでいます。

実際にさまざまなお客様の声や市場の動きを見てこられて、永井さまご自身が特に印象的だったトレンドの変化などはありますか?

【美容成分が高配合されたアイテムの例】

 少し前のことになりますが、新型コロナウイルスの影響でマスク生活が当たり前になり、ベースメイクをしなくなったり、そもそもメイク自体をしない方が増えたので、化粧品業界全体として、かなり大きなダメージがありました。一方で、新たな動きもありました。おうち時間が増えたことで、「家でできる美容」に注目が集まるようになりました。それと同時に、マスクで顔が隠れるからこそ、美容医療の中でもダウンタイムが必要な施術を受けやすくなった、という流れも出てきました。美容医療の広告を電車広告やテレビCMなどでもよく目にするようになりましたよね。実際、そういった施術が徐々にトレンドになってきているなと感じますし、それだけ世の中にも浸透してきていて、お客様にとっても身近な存在になりつつあるのかな、と考えています。なので、化粧品に対しても、以前よりも“美容”そのものへの意識が高まってきていると感じます。たとえばニードル系のアイテムだったり、美容成分が高配合されたような、より実感を得られる化粧品が、お客様から求められるようになってきたのかなと感じています。一方で、安全性への関心もあるので、やはり肌へのやさしさは引き続き大切だと考えています。最近では、皮膚科学の先生が関わっているような医療コスメや、ダーマコスメと呼ばれるようなアイテムにも注目が集まっています。効果も欲しいし、安全性も欲しい、といったお客様の期待がどんどん高まっていて、バランスを取るのが難しいなと感じます。

お客様の高い期待に応えていく中で、御社では商品をどのように開発し、どのような流れで発売まで進めているのでしょうか。

 化粧品なのか医薬部外品なのかによっても多少異なりますが、だいたい発売の1年〜1年半前くらいから構想を練り始めて、企画を進めていくことが多いです。
 研究開発チームとも、特に開発の初期段階である処方を決めるまでは、密にやり取りしています。まずは「こういうコンセプトで、こういう効果を出したい」といった方向性を共有し、その上で最適な処方を考えてもらいます。やはりそこは、研究の方が一番詳しいので、ある程度はお任せしつつも、こちらの意図をしっかり伝えながら進めています。サンプルが上がってきたら実際に使ってみて、「もう少しこうできないかな」とか「ここはいいね」といったフィードバックを繰り返しながら、ブラッシュアップし共同で形にしていきます。
 上市前には、ターゲットの年齢層やお肌の悩みに合った方々にヒアリングを行い、実際に使ってもらいます。使用感のアンケートを取って、そこでの評価をもとに最終確認をしています。

明色化粧品では、シリーズがたくさん展開されていますよね。シリーズごとのすみ分けは難しくないですか。

 明色化粧品という自社ブランドの中で、確かに多くのシリーズがあり少し似ている部分もありますが、明確なターゲットや肌悩み別に構成されているので、お客様にもわかりやすく伝えられるよう工夫しています。

【明色系商品が展開するシリーズ一覧】

明色化粧品の商品開発に込めた想いや、お客様の声を大切にする姿勢について伺いました。
次回は、「明日が楽しみになる肌に」がコンセプトの高機能エイジングケアMEDI SHOTシリーズについてお聞きします。

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