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vol.190:西川株式会社(1)〜寝具業界の老舗!創業から454年の歩み〜 2020.03.05

「春眠、暁を覚えず」。眠りが心地よい季節がやってきます。皆さんは近頃ぐっすりと眠れているでしょうか?
今回は創業から454年の歴史があり、豊富な知見をもとに数々の寝具ブランドを展開されている西川株式会社さんにインタビューします。

お話を聞かせてくださったのは
西川株式会社 広報担当 森 優奈さんです。

まずは西川株式会社さんの概要についてお伺いします。

統合後のロゴマーク。
「世界の西川」を目指し、アルファベット表記を採用。

当社は主にマットレスや枕、布団などの寝具の製造や販売を通して、お客様の睡眠をサポートしています。創業は1566年と、450年を超える歴史があります。2019年2月、分社化していた「西川産業」「西川リビング」「京都西川」の3社を統合し、「西川株式会社」となりました。今後は、3社一丸となって、日本にとどまらず、世界中の人により良い睡眠を提供することを目指しています。

1566年というと、当時の日本は室町時代!長い歴史を感じます。
創業当初から布団などの販売をされていたのでしょうか?

浮世絵にも描かれている蚊帳。
お馴染みの萌黄色は西川さんが起源です。

実はそうではなく、初期の主力商品は「蚊帳」でした。西川の蚊帳の特色は、萌黄色に染めた生地です。当時は蚊帳に色がついていないことが当たり前でしたが、生地を緑色にすることで人がリラックスできるのではないかと考えて商品化したところ、これが好評となりました。現在、時代物のドラマや映画などで出てくる蚊帳は緑がかった色をしていることが多いですが、これは当社の蚊帳が起源となっています。

確かに、今でも蚊帳といえば緑っぽい色のイメージがありますね。
その後、どのようにして布団などの製造がメインになっていったのでしょうか?

布団の販売が始まったのは、明治維新以降になります。それまでの布団は、購入するものではなく、自分たちで作るものでした。当時の西川は、蚊帳以外にも古着や畳などの販売も行っていたのですが、こういった仕事に携わる中で、新時代には生活必需品の商品化が拡大していくのではないかと考えました。そこで目を付けた商品が布団だったのです。これには、夏の主力商品である蚊帳に対して、冬の主力商品として布団を集中して販売することで、経営を安定化させようという狙いもあったようです。

ここから布団が主力商品になっていくということですね。
現在は布団の販売だけでなく、睡眠に関するさまざまな研究を行われているそうですが…

はい、当社には睡眠に関する研究施設として、日本睡眠科学研究所があります。それまでも材質や品質にこだわった商品を製造していたのですが、より科学的根拠に基づいた商品開発のために、1984年に日本で初めて、睡眠を科学的に研究する機関を設立したのです。
当社では、「快適な眠りは翌日のコンディションを整えてくれる」という考えを持っています。睡眠は、単なる疲労回復のためのものではなく、明日の活力の源となります。

そういった理念のもと、研究所は設立当初から、大学の研究室との共同研究などを通して、翌日のコンディションを整えてくれる快適な眠りについて、多面的な研究を行ってきました。研究事例をいくつかご紹介します。


■睡眠環境の研究
設立当初、研究所で、室内の温度や湿度をコントロールする実験を行いました。研究を進めるうちに分かったことは、良い睡眠のためには、寝具だけでなく、寝室の環境も含めた多様な要因を考える必要があるということです。
この基礎研究をきっかけとし、当社は理想の睡眠環境を見つけ出しました。また、近年ではこの基礎研究を応用し、気温や湿度、光・音といった寝室環境や、生活習慣へのアドバイスも視野に入れた、睡眠のコンサルティングサービスも行うようになりました。

 

■商品の効果の検証研究
当社の商品は本当に効果があるのか、本当に良い睡眠を提供できているか、ということを、科学的な根拠で明らかにする検証研究も行っています。例えば、当社のマットレスを使用した検証実験では、使用者の成長ホルモンの分泌の増加や、新陳代謝の改善といった効果が確認されました。
このような科学的なエビデンスを通じて、「だからこの商品は良いんだ!」といえる商品を、これからも開発して行きたいと考えています。

450年以上睡眠にこだわり続けてきた西川さんだからこそ、最新の技術で眠りを科学するというところに行き着いたように思います。
次回は日本睡眠科学研究所の研究によって生み出された寝具についてお伺いします。

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