やはりパターンの開発と、あとはインクの配合ですね。 ケシポンに使用されているのは、耐水、耐光、耐薬品性に優れ隠ぺい力の強い特製インクです。このインクの開発にも時間がかかりました。他のインクをケシポンに利用したり、逆にこのインクを他のスタンプに利用することは難しいですね。 完全にケシポン専用です。
パターンの開発では、文字に行き着くまでが大変でした。ただ、あまり苦労したという認識はなくて、楽しみながら試行錯誤していました。
バーコードやドットパターンのような規則的な模様を重ねると、変な模様が浮かび上がったり、色が変に見えたりする事があります。「モアレ」と呼ばれる現象です。この現象を利用して、文字に何らかのパターンを被せることで文字の解読を困難にする事ができるのでは?というのが最初の考えでした。 この段階ではまだ「文字で消す」という発想はなく、ドットや×印などの模様を組み合わせたパターンで試作していました。しかし、これはあまり効果がありませんでした。 というのも、人間には規則正しく並んでいるものの中に不規則のものがあるとそれを追ってしまうという習性があり、ドットのような規則的パターンを重ねただけでは簡単に文字が読めてしまうためです。
よくインターネットで会員登録などをする際に、ドットの中に書いてある文字を入力する認証システムを見かけますが、あれはこの習性を利用したものです。
アルファベット以外にも、漢字やひらがななど様々な文字を試しましたが、デザイン的な整合性から言っても、隠ぺい能力から言ってもアルファベットがベストでした。この印面パターンでは、アルファベット26文字の中からカーブや直角、直線を多く含む文字10文字を抽出し、どこにどんな文字がきても効率よく隠れるよう配列しています。
DMに使用されている主な書体は、明朝体、ゴシック体の二種類です。基本的に線が細い明朝体はドットパターンなどでも隠しやすいのですが、太くてしっかりしたゴシック体は、宛名の印字とスタンプのインクが重なることでテカテカ光って、柄によっては、スタンプすることで余計に文字を目立たせてしまったりもします。
そこで印字とスタンプのパターンが重なり過ぎない事が重要になるのですが、アルファベットは文字の空白をしっかり埋めて見えにくくしてくれつつ、印字との重なりも少ないので、明朝体はもちろんゴシック体で印字された宛名を隠すのに最適だったのです。
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