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vol.16:ツムラ(3) 2004.03.23
オピバイヤー「きき湯」
 
―では漢方についてお聞きします。

漢方は何時間あっても話し足りません(笑)
―奥が深そうですよね、そこを何とかわかりやすく教えてください(笑)
  漢方薬って一体なんですか?
漢方というと、話し手によって、医学を指したり、薬を指したりしますが、
まずその医学について説明しましょう。
古代中国で生まれ、経験の積み重ねにより体系化された後、
日本に伝来し、独自の発展をとげた伝統医学の一つが漢方医学です。
日本に伝来したのは奈良時代といわれ、
江戸時代にかけて集大成されました。

一方、漢方薬とは、この漢方医学に使用される薬のことで、
天然物である生薬(薬草の根や茎、葉などの有用部分を感想させたものや動物由来のもの、鉱物など )を
原則として2種類以上組み合わせたものです。
実は中国伝来の処方ばかりではなく、日本オリジナルの処方もあるんです。

江戸時代に、オランダ経由で西洋医学「蘭方」が入ってきて、それと 区別するために
中国経由で伝わってきた既存の日本の伝統医学を「漢方」と呼びました。
それで未だに「漢方」と呼ばれているんですよ。
ですから中国では「漢方」という言い方はしません。
よく中国などで「漢方を買ってきた」という話がありますが、
あれは「漢方」ではなく「中国伝統薬、traditional Chinese medicine」
を買ってきたということです。
―"漢"と書いてあっても日本の薬なんですね。
日本の薬です。
中国の古典から伝わって日本で発展した医学と
西洋医学を区別するためにつけた名前です。
ですがどうしても漢"という字がつくと
"中国"、"Made in China"というイメージをお持ちになる方が多いです。
でも"漢"字も中国語ではなく日本語ですよね、それと同じことです。 
我々としてもそのイメージを今後変えていきたいと思っています。

中将姫
中将姫
聖武天皇の時代に藤原鎌足の玄孫(やしゃご)として生まれた。
「漢方薬」と似たものに「伝承薬・家伝薬」があります。
ツムラの製品ですと婦人薬の『中将湯』です。
こちらは奈良時代に中将姫が10種類くらいの生薬を
配合して開発したものが代々受け継がれ、
その後ツムラの創業者が製品化して今に伝わったものです。
漢方薬と同じように複数の生薬を配合しているという点では同じなのですが、
古典にのっとったものではないので漢方薬とは呼びません。
 
漢方薬の組成
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皆さんもご存知かと思いますが
風邪に効く『葛根湯』は漢方薬の一つです。
漢の医学書『傷寒論』にも『葛根湯』は記載されているのですが
今ツムラで扱っているその他の漢方製剤も、
古典にのっとった処方内容です。
ただし、近代的な医薬品製造工場で作られています。
こうした漢方製剤はOTC(処方箋なしで購入できる薬)では210処方、
医療用では148処方がそれぞれ厚生労働省から認可されています。
とにかく、漢方薬と呼ぶことができるのは
厚生労働省により認可されたものだけなんです。
ちなみに医療用でしたら保険も適用されますよ。
―それは取り入れやすいですね。
  では漢方医学と西洋医学の違いはどういったことでしょうか?
どちらも考え方や方法は違っても病気を治すという目的は同じです。
まずは漢方医学の考え方をご説明します。
人って個人個人、体質や体力も違えば
病気に対する症状も違いますよね。
まずはその個人の自覚症状や体質を見て
"体全体"のバランスを整えていく、
そして個人の持っている免疫力・治癒力を高めて、
最終的に打ち勝つ、病気を治癒するという考えが東洋医学です。
例えば同じ「風邪」でもそれぞれの体質や症状の進行度によって
10数種類の漢方薬を処方することができるんですよ。
処方の選択
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一方、西洋医学では病気の原因を見つけてその原因を絶つという考えです。
例えば感染症ですと抗生物質を投与して原因を取り除きますよね。

―先ほど(第2回)お風呂で体を温めることで血流を増やし
  代謝を良くして体の中からスキンケアをするという話がありました。
  その話と同じように漢方でも体の内側を良くすることで全体的に良くするんですね。

そうです。
体のバランスを整えて免疫力を高めていくことは
とても重要なことです。

最近、西洋医学で各個人にあったものを処方する「テーラーメイド医療」ということが言われています。
ですが漢方医学というのは先ほど申し上げたように各個人の体質とか症状を見て処方しています。
すなわち個々の人にあった漢方薬を処方するという意味では
2000年前以上前からテーラーメイド医療を行っているんです。

―最近、漢方に注目が集まっているというような風潮はありますか。

ありますね。
こちらは医師の方向けに取られた統計です。
1976年、漢方に保険が適用されるようになってきた頃には
漢方薬を処方する医師は19%でしたが
去年の10月のデータでは72%の医師の方が
漢方薬を使っているということになっています。
医師が漢方薬を使用する理由としては
「西洋薬だけでは限界がある」、
「科学的データが報告されてきた」などがあります。
漢方薬に関する科学的データが蓄積されてきて
論文にもなっています。

また「患者から強い要望がでるようになった」という理由もあります。
ツムラでは医師や一般の方、マスコミ向けに
漢方関連のセミナーを開いています。
そのセミナーやマスコミの影響で患者の方が興味をお持ちになって
診察でお医者さんに「漢方を処方してください」と
おっしゃるのではないかと思います。
また、医師から西洋薬を処方されていても
自分の症状が中々改善されないと
患者さんも漢方薬を試してみようかなと思われるようです。

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―今お話にあった「西洋薬だけでは限界がある」ということはどういうことでしょうか?

いい例が婦人特有の不定愁訴(ふていしゅうそ)の改善です。
更年期障害などですね。
「体が冷える」「ほてる」とか「よく寝られない」「イライラする」「疲労感がある」など
なんとなくつらい自覚症状が確実にあるのに
血液検査をしても異常な数値は見あたらないというような状況です。
そういった場合、西洋薬であれば睡眠薬や精神安定剤が出されるところだと思います。
漢方薬の中にはそのような愁訴に対応できるものがあるんです。

 

株式会社ツムラ
ツムラ温泉科学プロジェクト
漢方のお医者さん探し

漢方薬とは厚生労働省の認可付きで
由緒ある日本の薬だったんですね。
さて次回は「どうやって漢方をとりいれればいいのか」
「話題の新製品」についてお届けします。

Vol.16 ツムラ(4)