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vol.16:ツムラ(2) 2004.03.18
オピバイヤー「きき湯」
 
―先ほど(前回)新しい入浴剤『きき湯』についてお聞きしました。
  そもそもツムラさんが最初に入浴剤を始めたきっかけは何だったんですか?
ツムラが一番最初に販売した製品は110年前に発売された『中将湯』(※)です。
今も販売しているロングセラーの婦人薬です。
この『中将湯』を作るときに出る生薬の残りかすを
社員が自宅に持って帰ってお湯に入れたところ、
非常に体が温まるということがわかりました。
すると近所で銭湯を経営している方が「ぜひうちでも使いたい」と
おっしゃったりと需要があることがわかってきました。
そこで 製品化することになったのです。
これが生薬を使った『浴剤 中将湯』で、
それを発端として入浴剤を発売するようになりました。
※中将湯・・・奈良時代に中将姫が創製した婦人病に効くとされる薬。
        詳しくは第3回でお届けします。

中将湯
中将湯
そして『浴剤 中将湯』の次に立ち上げたブランドが今でも発売されている『バスクリン』です。 
これが今からおよそ70年前の1930年です。
ちなみに夏向け商品として『クールバスクリン』が発売されたのは1975年です。
―まさにロングセラーですね。
  70年の間に変わってきたところはあるんですか?
発売当初のバスクリン
発売当初のバスクリン
『バスクリン』は体を温める硫酸ナトリウムと
脂を取り除く作用がある炭酸水素ナトリウムの2つの成分で構成されていますが
このような素材の設計は基本的に変わっていません。
また、粉状ということも変わっていませんし、
色もグリーン系がメインだということも変わっていません。

ですが香りや色のバラエティ、広がりが
年代とともに変わってきているということがあります。
ひところレモンなどの柑橘系が流行っていて
その後ハーブ系が人気になりました。
入浴剤に限らないのですが、社会的に香りの流行というのはあります。
最近の消費者アンケートではみかんやすずらんの香りが人気ですね。
『バスクリン』の他には『日本の名湯』シリーズもありますよね。
そうですね。
こちらは温泉地の源泉のイオン分析をして、
プラスイオン、マイナスイオンの割合などを
できるだけ同じように再現しています。

ですが、どんな温泉でも製品化できるかといえばそうではありません。
風呂釜を傷めてしまうイオウ成分が多い草津などの温泉は
どんなに人気が高くても「日本の名湯」として再現することはできないんですよ。

それぞれの入浴剤の違いをまとめると・・・
『日本の名湯』は現地の温泉のイメージで
ご自宅で入浴を楽しんでいただくもので、
『きき湯』は温泉の効能に着目して
症状別に効く成分を配合して作りあげたものです。
『バスクリン』は体を温めるという効果があり、
また お手頃価格でお楽しみいただけます。

日本の名湯こだわりの美人湯 肌を整える美人湯(乳頭・龍神・箱根奥湯本)
日本の名湯こだわりの美人湯 代謝を整える美人湯(山代) 日本の名湯こだわりの美人湯 気持ちをほぐす美人湯(湯布院)
日本の名湯こだわりの美人湯
(上段:乳頭・龍神・箱根奥湯本)
(下段:山代・湯布院)
―ところでツムラさんではインターネット上で"温泉科学プロジェクト"を始めたとお聞きしました。
  これはどういったものでしょうか。
長年ツムラでは温泉について研究してきたのですが、
最近ではもう少し科学的な情報を出していこうという考えが出てきました。
そうすることで今まで「入浴剤なんて」と思っていた人にも
「入浴剤もスグレモノだ」と思っていただき、そして購買層を広げていきたいというねらいがあります。
最初からいきなり入り口を"入浴剤"にすると
元々入浴剤を使わない方たちには興味を持っていただけないので
まずは"温泉"から興味を持っていただこうと思いました。

ですからメーカー側が主体になるというよりも
温泉の研究をしているドクターや、
何百箇所の温泉に入っているコラムニストの方などが集まるサイトを作って
温泉の良さを知っていただくというのが"温泉科学プロジェクト"です。
元々Web上に温泉に関する情報のネットワークがあったので
そこで色々な方に声をかけたら快く受けていただけました。
そうして今このサイトがあるという感じです。
温泉科学プロジェクトはじまる


また、昨年8月に『きき湯』を発売、『日本の名湯』を大幅にリニューアルしました。
どちらも「温泉の成分」という共通点がありますので、
それをアピールするというマーケティング的な要素もありました。
そこで『きき湯』の開発をコーナーの一つとして組み込み、
この"温泉科学プロジェクト"が始まりました。

ところで、一般のご家庭のうち、定期的に入浴剤を購入されるのってどのくらいだと思いますか?
独身の方は除きます。

―・・・3割くらいですか?
いいセンですね、大体4割くらいです。
ということは残り6割の方の中には 「人からもらった」とか「一度買ってやめてしまった」と
入浴剤を使ったことがある方もいると思うのですが定期的に買っているわけではないんです。
どうしてかと理由を聞いてみると
未だに「浴槽を傷めるのでは」と思っていたり、
最近ですと残り湯を洗濯の水に使う時に「衣類に着色してしまうのでは」と思うということでした。
数多く入浴剤があるので一概には言えないのですが、
各メーカーさんは当然テストをしているので
浴槽を傷めたり、衣類に着色するということはありません。

こうした誤解があったりして入浴剤を使っていないご家庭がまだまだあります。
“温泉科学プロジェクト”などを通してもっとご利用いただけるようになればと思います。

―浴槽や着色はきちんとテスト済みだったんですね。
  では入浴剤を使うにあたって、効果的なことを教えてもらえますか?

買い方のポイントをお教えします。
裏面が特に大事です。
医薬品もそうなのですが、入浴剤にも必ず"効能"が書いてあります。
これ(『きき湯』マグネシウム炭酸湯)でしたら「肩のこり、腰痛、神経痛・・・」とありますよね。
この効能の最初に書いてあることがその入浴剤の一番得意としていることです。
薬事法では医薬部外品の入浴剤の場合、約20個の効能を全て謳えるようになっているのですが
メーカーはその中で一番得意とする効能を最初に書きます。
『バスクリン』だったら「疲労回復」、『クールバスクリン』だと「あせも・しっしん」だとか、
裏面の効能書きの最初にあるものを見ていただくといいですよ。

また、メーカーとして一番伝えたいことは
「お風呂に入ってゆっくり湯船に浸かっていただきたい」ということです。
極端な話をすれば、(入浴剤を使わなくても)
お風呂にゆっくり入って温まれば
肩こり・腰痛・肌荒れ・しっしんにはプラスの効果があります。
例えば「皮膚が乾燥している」という状態は色々な要因があるのですが
その中の一つに「皮膚の中にある毛細血管の血流量が良くない」ということがあります。
「血流量が良くない」ということは当然「代謝が良くない」ということで
水分や栄養分の補給がうまくいっていない、
皮膚の中からうまく補給されていないということになります。
ですから血行をよくしてあげることが結果的に
皮膚の中からスキンケアをしてあげるということになります。
そこに入浴剤を加えることでプラスアルファの効果を得ることができたり、
今まで2,3分で終わっていた入浴が10分もしくは20分になることで
体がより温まるという効果があると思います。
薬用ソフレシリーズとナチュピ(前列右)とクールバスクリンボディソープ(後列右)
薬用ソフレ(入浴剤・ボディソープ・保湿ミルク)とナチュピ(前列右)とクールバスクリンボディソープ(後列左)

株式会社ツムラ
ツムラ温泉科学プロジェクト
漢方のお医者さん探し


「効能は一番最初を読む!」しっかり覚えておきたいところです。
さて次回はツムラさんの売上の8割以上を占める「漢方」についてお届けします。

Vol.16 ツムラ(3)